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執筆者の写真Kawabe Fumi

断熱改修、まずは窓から


ここのところ断熱改修工事の案件が増えてます。


政府の2050年までのCO2排出ゼロ宣言が影響してるとも思えませんが、コロナ禍で家に留まる時間が増えたことによって住環境を考える人が増えたのかもしれませんね。


断熱改修でまず手をつけたいのはやはり窓でしょう。


冬場は家の中から外に逃げてしまう熱のうち50%くらいは窓から出て行くそうですからね。


施工的にもこの部分だけで完結しやすいので取っつきやすいですよね。


窓の改修には大きく分けて4種類のやり方があります。


1,既存窓を枠まですっかり撤去して新たに高性能な断熱サッシを取付ける。


2,既存窓の室内側に二重窓を設ける


3,カバー工法(建具は撤去、既存枠を利用して新しい枠を取付け新しい断熱サッシを入れる)


4,既存枠、既存建具を利用し単板ガラスをはずし、アタッチメントをつけてペアガラスを組み込む


それぞれに長所短所があり、コストにもかなりの差があるので適材適所で選ばなければならず頭を悩まします。


1つずつ簡単に説明してみます。


1,既存窓を枠まですっかり撤去して新たに高性能な断熱サッシを取付ける。


1番わかりやすい改修方法ですよね。


改修した感もわかりにくく、そして断熱気密の観点からもご希望の断熱性能を得られやすいと思います。


しかし、コストが一番かかる。工期も長くなります。


集合住宅などでは駆体をいじることになり認めてもらえないかもしれません。


既存枠まで撤去するので外壁、内壁を少なからず壊さなければならず、復旧までには複数の職方の手が必要になります。


外壁、内壁の仕上げ材料がうまく揃うか、あるいはどこまで補修するのかでコストは膨れあがってしまう可能性があります。


2,既存窓の室内側に二重窓を設ける


トータル的に観て私はこの方法が4つの中ではベターかなと思う方法です。


基本的には内側窓木枠に二重窓を取付けるだけなので解体撤去などもなく短い時間で簡単に完結します。


コストも抑えられます。


既存窓と合わせてなので断熱も効くと思いますし、既存窓と二重窓の間に空気層ができるので結露の軽減にも役立ちますし、この空気層にブラインドを取付ければより効果的になると思います。


デメリットはやはり開け閉めが二重になりめんどくさい。


掃除も厄介になるという不便さは否めません。


3,カバー工法(建具は撤去、既存枠を利用して新しい枠を取付け新しい断熱サッシを入れる)


建具は新規で断熱サッシが入るのでいいです。


集合住宅などでは駆体に手を加えることが出来ないことが多いためこの工法を採用することになると思います。


既存枠を利用するわけですが、あくまでも新規サッシ枠の下地なので見えません。


サッシ職人がアルミの曲げ物を使って新規枠を既存枠にうまく取付けることになります。


専門職ということでコストはかかります。


コスト的には1とあまり変わらないイメージです。


そして既存枠に新規枠を組み込むのでサッシそのものが一回り小さくなります。


また、枠が基本アルミなので断熱、結露の観点から不安はありますね。


4,既存枠、既存建具を利用し単板ガラスをはずし、アタッチメントをつけてペアガラスを組み込む

コスト的には一番安く出来ると思います。


しかしデメリットが多いので勝手口など以外はあまりお勧めしません。


単板ガラスからペアガラスに変わるので単純にこれまでの倍以上の重量負荷があります。


すでに経年劣化がある既存建具枠にこの負荷はかなりのダメージになると思われます。


ガラスをペアガラスに変えただけでは断熱効果は他と比べると期待はあまり出来ず、結露対策も同様で枠がアルミなので難しいかと思います。



以上ざっと説明してみました。


ご覧の通り、完璧な方法はないので適材適所状況にあわせて選択する必要があります。


これに合わせてガラスの種類の選択によっても変わってきます。


光熱費の節約にも繋がるので長い目で見て思い切った選択も良いかと思います。

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