Kawabe Fumi
1-②無垢の床材のいいところと厄介なところを把握しましょう
カテゴリー、自然素材の中で暮らす/無垢材のフローリング

チーク
床材を選ぶ際には、「つくり家工務店」では無垢のフローリングをお勧めしています。
無垢材というと高級なイメージがあるかもしれません。
確かに他の床材と比べるとコストはかかります。
しかし、リーズナブルな材種にするとか塗装は自ら行うなど工夫をすれば、まったく高いものではありません。
それよりも経年変化による味を楽しむ、優しい足ざわりを楽しむなど、あなたの暮らしを豊かにしてくれる要素がいっぱいです。
自信をもっておすすめしたい無垢のフローリングですが、新建材のフローリングと比較するとリスクになる点もあります。
今日は、無垢材のフリーリングのいいところと厄介なところをお伝えしたいと思います。
新建材と比べて何がいいのか?あるいは何がリスクとなるのかを理解した上で選んでいただきたいからです。
自然素材は、全般的に言えるのですが、メンテナンスなどをして上手く付き合ってあげなければならないところがあります(それをするから長寿命につながります)。
「メンテナンスフリーがいい」という方には、そもそも自然素材は向いてません。
無垢材のフローリングの良いところと厄介なところを挙げるので、ご自身の希望に合っているかどうかを確認してみてください。
*良いところ
人の心に沁みる素材感
自然素材の持つ圧倒的な存在感を感じることができます。
高級感であったり、癒しになる優しい足ざわり、品のある匂い。
塗装では出すことができない深みのある色。
長寿命で、経年変化により深みを増すこと
日本最古の木造建築の法隆寺が1300年も健在であることからもわかるように、木材は素材の寿命が長く、扱いを間違わなければ100年くらいもちます。さらに、無垢のフローリングは素足で過ごすことにより自然に磨かれ、木に味わいが出てきます。
日に焼けたり、床に触れる頻度が多い場所は、多少色むらが出ますが、時間が経つほど色に深みが増していきます。
それに対して新建材の床材は、最初が製品そのもののピークで、その後は、傷や汚れが劣化につながり、時間が経つにつれて加速度的に劣化のスピードが早まります(経年変化ではなく、経年劣化と呼びます)。
補修が容易であること
小さな傷や汚れは、木を削ることで簡単に直すことができます。
また、好みの色に着色した場合でも、時間が経って飽きてしまったら、表面を削って違う塗装をやり直すことも可能です。
*厄介なところ
湿度によって伸び縮みがあること
木は、空気中の湿気を吸収したり排出したりする調湿機能があります。そのため、気候によって伸び縮みしたり、乾燥しすぎると割れたりします。
無垢のフローリングは、板と板の継ぎ目に隙間ができたり、ひびが入ったりすることもあります。
隙間にごみが溜まったりということはありますが、機能としては問題はありません。
傷がつきやすいということ
堅木ならさほど気にならないのですが、杉などの柔らかい木は特に傷がつきやすいです。良いところでも話しましたが、補修はしやすいのであまり神経質にならないでくださいね。
コストがかかるということ
新建材の複層フローリングに比べると、材料代もさることながら施工費も割高になります。
1枚の板幅が違うからです。
一般的な複層フローリングの幅は30センチ。
それに対して、無垢の床材は10センチ前後です。
施工方法は同じなので、幅が狭い無垢の床材のほうが単純に3倍手間がかかるのです。
いかがでしたか?
床は、あなたの暮らしの中でいちばん身体が触れている場所です。
そして、空間のベースになる部分でもあります。
じっくり考えて決めていただきたいと思います。
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