カテゴリー, 暖かくそして涼しく/断熱の役割
今回のテーマは「断熱とは?」です。
最近は省エネの推進とともに再び注目されている高断熱高気密ですが、
「なぜ住宅には断熱が必要なの?」
あるいは
「断熱ってどういうこと?」って質問されたら、答えられるでしょうか?
私も勉強するまではたくさんの誤解をしていました。
以前は、「家を包む暖房器具ぐらい」にしか考えてなかったですから…(苦笑)
「ややこしいからいいや!」と考える人も多いかもしれませんが、断熱気密がざっくりとでもわかると
家の機能として何が必要なのか?が判断できます。
あるいは、
家づくりのベースになる知識が得られるので、今後の家づくりがスムーズになると思います。
わかりやすさを重視していきますので、お付き合いください。
それでは今回のテーマ、「断熱とは?」のポイントを3つ挙げてみますね。
熱の移動を抑えます
まず断熱は暖房器具ではありません。
結果的には暖かくなるのですが。。。(冬は)
その役割は空気の熱の移動を抑えることです。
熱の移動とは?
暖かい空気は冷たい空気の方へ流れる という性質があります。
冬の家では室内の暖気が外に逃げようとするわけです。
これを抑えてあげないと、いつまでも暖かくならないですよね。
一番わかりやすい例が、ダウンジャケットです。
このジャケットの中にあるダウンが断熱の役目を果たしているのですが、ダウンジャケットが熱を発生させているわけではないですよね。
ダウンジャケットはあなた自らが発する熱を、家の場合は暖房器具で暖めた熱を、外に逃がさないようにしているのが断熱です。
冬だけでなく夏も働いてます
断熱というと冬だけのこと、あるいは暖かくすることをイメージしてる方が多いかもしれません。
しかし、前段落を読んだ方はわかったと思いますが、夏もしっかり断熱は働いているのです。
ただし、夏の場合は空気の進もうとする方向が逆転します。
つまり外気の熱い空気を室内に通さないようにしてくれるのです。
前段落ではダウンジャケットをたとえにしたので、「ダウンジャケットは夏は着ないよ」と疑問を持つ方もいるかもしれません。
ダウンジャケットはあなたに密着してるので、あなたの体温に対応してしまいますが、家の場合はあなたは断熱材からは十分に離れているし、冷房で涼しくした冷気をキープしようとするのでダウンジャケットのようなことにはならないのです。
つまり断熱とは、暖かくも涼しくも気温をキープし続けますよということです。
ですので、冬はダウンジャケット、夏はクーラーボックスをイメージしてみたらわかりやすいかもしれません。
全体を包むことで効果が出ます
このあとお話する予定の気密の話と結びつくお話でもあります。
これもダウンジャケットを例に出したいと思います。
あなたは寒い時、ダウンジャケットの正面のファスナーを首元まで閉めますか?
それともファスナーを閉めませんか?
当然閉めますよね。
クーラーボックスでも同じです。
蓋を開けっ放しにしてたら、氷が解けて冷たくなくなってしまいます。
そうならないように、なるべくすぐに蓋を閉じてロックして中を密封しますよね。
隙間なく断熱が覆われていることによって、はじめて断熱の効果が十分に発揮されるということです。
家についても外気に接する基礎(床)、外壁、屋根(天井)を断熱材で覆うわけですが、外観ができるだけシンプルな方が施工にムリがなく、断熱の効果が得られやすいと言えるでしょう。
断熱材も、あっちこっち隙間だらけでは効果が半減してしまい、せっかく入れたのにもったいないということにもなってしまいます。
隠れて見えなくなる部分ですが、しっかり施工しなければならないところでもあります。
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