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執筆者の写真Kawabe Fumi

9-④ リノベーションを始める前に現状を把握しましょう

カテゴリー, 土地に暮らす/好きな場所に暮らす




今回は、前回に引き続き、リノベーションについてお話します。


今、お住まいの家をリノベーションするのか、あるいは、中古住宅を買ってリノベーションするのか、いずれの場合も、現状を把握することが重要になってきます。


「どのくらいの工事になるのか?」


あるいは、

「どこを優先して工事しなければならないか?」


中古住宅を買おうとしてる方なら、

「この物件は買うべきなのか?」


などを判断する、大きなベースとなるものだからです。


この現状の把握が明確になると、リノベーション自体が具体的に始動します。


どうしても、やりたいことを優先してしまいがちなのですが、目を背けず向き合っていきましょう。



今回は、最初に見ておくべきポイントを3つ挙げたいと思います。



  • 構造体を重視すること


見えない部分がほとんどなので、おろそかにしてしまいがちなのですが、家を支えるためには一番大切な部分となります。


順に説明していきますね。



基礎


基礎とは建物を支えるベースとなる部分です。

建物と地面の間のコンクリートでできている部分がそれに当たります。

家の外周を回って確認しましょう。

ひび割れなどはありませんか?

地盤との兼ね合いもあります。

小さなクラックまでは気にすることはありませんが、よく見ましょう。



床下


床下収納がある家は、必ず見ましょう。

樹脂でできた収納庫を上げれば、床下を見ることができます。

基礎の立ち上がりに蟻道はありませんか?

木部にシロアリの形跡はありませんか?

土台、柱が腐ってませんか?(特に水回り)

土台を支える地面との間にある柱状の束は浮いていないですか?



壁、建具


この部分そのものは構造体ではありませんが、構造体のゆがみを表していることが多いです。

壁にひび割れはありませんか?

建具の開閉でどこかが擦れていませんか?(扉が原因の場合もありますが)



屋根


見ることができる環境なら、ぜひ、見てください。

コケが生えてませんか?

ひび割れや塗膜の剥がれなどはありませんか?

瓦の場合、漆喰が剥がれたりしてませんか?

軒天に水染みなどはありませんか?



外壁


ひび割れはありませんか?

サイディングの場合、継ぎ目のコーキング処理は切れてないですか?

外壁を手のひらでサッと払うと、チョークのような粉がつきませんか?


このあたりは外部のメンテナンス不足と言えます。

雨漏りの原因になるので早急な対応が必要となります。




  • 周辺環境を把握すること


湿気


家の北側などは、擁壁などに囲まれて日当たりが望めないこともあるでしょう。

中古住宅を買う場合なら、やはりジメジメした環境、外壁にカビが繁殖してるような家はオススメできません。

床下にも影響を及ぼします。

じわりじわりと家に被害をもたらします。

空気環境という意味でも、スムーズな通気ができる周辺環境をおすすめします。




地盤


家を支える地盤がしっかりしてなければ、家はガタガタになってしまいます。

基礎に大きなひび割れがあったり、床下を覗いた時に、束が浮いてる状態だと地盤が沈んでいる可能性があります。



日当たり


周囲の建物などの状況から、南側の日当たりを重視しましょう。

夏の暑さ、冬の寒さに大きく関わってきます。




  • 断熱状況を確認すること


断熱材


できる限り確認しましょう。

断熱材の有無、厚み、気密状況などです。

床下は、床下収納庫からみることができますよね。

壁は、確認が難しいです。

天井裏で確認できればいいのですが。

天井は、押し入れに点検口を設置してるところが多いので確認してみましょう。




熱の出入りが多い窓を検証するのも大事です。

ガラスがシングルかペアかの差は大きく、シングルガラスの場合は早急な対応が必要となります。

枠はほぼアルミだと思いますが、これも結露の原因にもなりますので、検討すべき一つになると思います。




こうして、ザっと状況確認をしたら、工務店などプロの目を使って確認しましょう。


住宅の設計・施工に精通している専門家が、住宅の劣化や不具合の状況について調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に検査するものを、インスペクションと呼びます。

これを実施してもらうことで、しっかり現状を把握できると思います。


ここで彼らがしっかり見てくれるか、あるいは、あなたに向き合ってコミュニケーションをとってくれるかを確認することで、信頼関係を築けるかがわかってきますよね。


まずは、この現状の把握を自分たちだけで終わらせないことです。


ポイントをお伝えしましたが、あくまでも目安として考えてほしいと思います。


なぜならば、リノベーションの方向性、コストが大きく変わる可能性があるからです。



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