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  • 執筆者の写真Kawabe Fumi

1,8年ぶりにカヌーで川を下ってみた! ② 8年のブランク

更新日:2023年8月20日

カテゴリー 川を旅する大工


木の家・自然な家で、あなたの暮らしを楽しみませんか?

東京・多摩エリアの「つくり家工務店」です。


今日のテーマは趣味のカヌーのお話。


調子に乗ってしまい痛い目に合った経験をお話します。





野田さんの死をきっかけに、何かを始めようと決意した私。


迷うこともなく、まずはカヌーをしようと思いました。


自由で何かから解き放たれたような気持ちになれる川旅を、まず初めに感じてみたかったのです。



ところが…



その頃の私は、カヌー一式を何も持っていなかったのです。



なぜか?



8年前のある失敗のせいで、カヌーをやることすらなくなっていたのです。






8年前、息子も小学校5、6年生でちょくちょく一緒に川を下りに行ってました。



その日は前日の大雨も去り、快晴とは言えなかったですが、雨はもう大丈夫だろうという感じでした。


以前から計画していた長野県の天竜川を下りに、中央道に乗ったのでした。



現地に着いて、状況を調査します。


天気は、またいつ降り出すかわからないような状態。


それより気になったのが川の水量。


昨日までの雨のせいで、だいぶ増水しており、水も茶色ににごってます。


内心、「やばいなぁ〜」と思ったのが本音。


地元の多摩川なら絶対に中止にする状況でした。


初めてのルートでもありました。



しかし、



車で3時間ほどかけてきました。


息子も楽しみにしています。


結果、判断を見誤りました。


ゴーしてしまったのです。



それでも、とにかくセーフティーにいこう。


最悪、岸につけて途中で断念すればいい。



通常とは違うアドレナリンの上がり方です。


初めてのルートと流れの速さが相まって、緊張感バクバクの中でのスタートでした。


しかも、よりによってスプレースカートという装備を忘れてきてしまうという致命的なミスを犯してしまいました。


スプレースカートとは、人がカヌーに出入りしている開口部をもしもの際、水の侵入を最低限に抑えるためのいわば、カヌーのふたになるような装備です。


失敗が目に見えてきました。


でも、まだ大丈夫だと自分を過信しているのです。


実は、このルートは天竜舟下りと同じルートです。


もちろん舟下りはやってません。


そして、メインイベントの激流が続く「鵞竜峡」がいよいよ迫ってきました。






「〜峡」というだけあって気づいたら両岸は狭まり、逃げ場はなくなっていました。


遠くを眺めると、海の大しけのようなものすごい波が立ってるではありませんか。

ちびりそうな気持ちに追い込まれましたが、覚悟を決めるしかありません。


中途半端な動きが一番危ないからです。


波は半端なく高いですが、流れとしてはそこまでクセがないと判断。


コース取りだけに集中しました。


前に乗る息子には余計な不安を与えないように、落ち着いて、しっかりパドルを漕ぐように指示。


その表情は見えなかったのですが、案外飄々としているようで頼もしく感じました。


カヌーは横からの力にはからっきし弱いので、とにかく波に対して真っ直ぐ入っていくことを心掛けました。


さぁ、最強の波に入っていきます。


ものすごいパワーでカヌーの先端を持ち上げていきます。


5mの長さのカヌーが体感ではありますが、直立したかと思いました。


それでもバランスよく着地?し、「ヨシっ!!」と思った瞬間、返しの波が上からもろに覆いかぶさってきました。


滝つぼにでも入ってしまったような感覚です。


スプレースカートがありませんから、当然、一気に水がカヌーに入り込み、一瞬で沈没です。


こんなこと初めてです。


スプレースカートがあったとしても、同じ結果だったかもしれません。


否が応でもカヌーから抜け出ることになり、息子も慌てずに脱出してくれました。


沈没はしたものの、カヌーはまだ浮力があるので水面下で浮いて流れてくれます。


カヌーをしっかりつかませ、激流はまだしばらく続きそうなので流されていきます。


まずは第一段階クリア。


次は川岸に泳いでいきます。


川での泳ぎ方は、直線的に岸に向かうのではなく、流されながら徐々に岸に近づくことが大切です。


体感では2〜3キロ流されたのではないでしょうか。

そんな差し迫った状況とは裏腹に、息子はまるで動じず、流されていく自分たちを楽しんでいます。


ライフジャケットをつかって水の中に沈んだり浮いたりをくりかえし、おちゃらけていました。


私の軽率な判断で、死んでもおかしくない状況に追い込ませてしまったのですが、パ二くることもなく、しっかり私の指示に応えてくれました。


そこは本当に助かりました。


まだ岸にたどり着いたわけではないので、安心はできません。


岸まで5mぐらいのところまできたのですが、水に沈んだカヌーを持っているのでなかなか引っ張り切れないのです。


アラスカのユーコン川も下ったカヌーでしたが、あきらめるしかないと決断しました。


まずは、息子に先に泳がせ、岸についたのを確認してからカヌーを離し、私も岸に泳ぎ着きました。



「とにかく、息子が無事で良かった!」


心から思いました。



家族に迎えに来てもらい、着替えをしながら、少しずつ平静を取り戻していきました。


ただ、罪悪感が治まることはなく、変な動悸みたいなものがしばらく止まらなかったのは、今でも忘れられません。


家族には心から謝りました。


自分勝手な過信が招いた痛すぎる失敗です。




こうして、痛すぎる失敗とともにカヌー一式を流されたのでした。




で、終わるところなんですが、そうならないのが人生。


着替えたあと、ゴール予定地であった、舟下りの到着地点まで行ってみたんです。


ダメ元で、カヌーがたどりついてないか、確認してみたかったのです。


当然、あるわけがなく、しばし、ボーとしていたのですが、そこに意味ありげに、にこにこしながらおじさんが近づいてきたのです。


「もしかして、カヌー流してないかぁ〜?」


「え〜、はい!流しましたぁ~」


「取っておいてあげたよ~」


「マジっすか??ありがとうございます。」


そのおじさんは舟下りの会社の人で、流れ着いた私のカヌーを引き上げてくれてあったのです。


何度もお礼を言って、カヌーを積んで帰路につきました。







それ以降、パドルは見つからなかったこともあり、仕事の忙しさも相まって、なかなかカヌーをすることはなくなりました。


数年前には、そのカヌーも25年選手となり相当ボロボロになったところで、妻の勧めもあり捨てることにしました(新しく買い換えたらと言ってもらいました)。


そんなつもりはなかったのですが、心のどこかであの失敗が根強く残っていたのかもしれません。


なんとなくカヌーから遠ざかっていったのでした。



気づけば、あれから8年も経っていたのです。




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