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  • 執筆者の写真Kawabe Fumi

サスティナブルで本当に大事なことって何でしょう?

更新日:2023年8月20日

カテゴリー, 土地に暮らす/サスティナブルに生きる


木の家・自然な家で、あなたの暮らしを楽しみませんか?

東京・多摩エリアの「つくり家工務店」です。


今日のテーマはサスティナブルについてのお話、3回目。




ここまで、環境問題に端を発し、どうすれば未来に地球という財産を残していけるか検討してきました。


SDGsも同様に、取り組み続けていくべきことだと思いますが、今日はもう少し視点を変えて、サスティナブルについて私の考えをお話してみたいと思います。



サスティナブルで大事なことは、「人間を退化させない」ことだと考えています。


これまでは、地球という環境に関わることで持続可能性を追及してきました。


これらが一定の成果を上げたとしても、私は心配に思っていることがあります。


それは、人間が動物としてこの環境についていけるのかということです。


現代の人間はどうでしょう?


本当にカラダを動かすことが減りました。


仕事にしても然り、第一次産業につく人の数はどんどん減っていきます。


私の仕事など、まだいい方なのかもしれません。


コンクリートで平らにされた、安全、安心な環境で五感を研ぎ澄ますこともなく、ネットで情報、知識を得て、「できる、感じる」のではなく「わかってる」だけの頭でっかちな生き物になり下がってしまっていると思いませんか?


頭で考える、理解する、想像するは、確かに人間の特性ではあります。


この特性を生かして、ここまで発展してきたことは間違いありません。


一方で、動物の一種であることは変わらないのです。


赤ちゃんはハイハイをしながら生きる力、能力を引き出していると言われます。


それこそ、カラダを動かして「身につけている」のです。


動物は経験を繰り返すことで感覚を養い、本能から生き方を引き出してきているのです。


それは、頭で考えるだけでは育てることはできないのです。



ほんのちょっと前までは、五感を使った感覚、そして、その経験をベースにして人間は、さまざまな生きるための能力を身につけてきました。


山や川に入ることで、土に触れることで、緑を見て、森のにおいをかぎ、せせらぎの音を聞いて、そして目に見えぬものを感じて、何かを得ていたはずなのです。


人間がこの能力を退化させてしまっては、いくら地球が持続しても、人間がそれについていけなくなってしまい、まさに絵に描いた餅になってしまうと思うのです。


動物は、使わなくなった能力は退化してなくなるのが必定です。



そして、適応できない動物は絶滅するのです。


先日、養老孟司先生が出ていたYou tubeを見たのですが、「人は森に行き、身体を動かすことで五感を養わなければ!」とおっしゃっていました。


全くその通りで、ここで、私がそれを実感した体験をお話したいと思います。



まだ20代の頃、アラスカのユーコン川をカヌーで下った経験があります。


2週間の間に1000キロほど下ったのですが、途中、人の住む町を通過したのは一回のみです。


人間が主人公である環境では全くない、大自然です。


人工物は一切存在しません。


ある意味、「無」を感じました。


一方で、グリズリーなどの脅威に怯えつつ、事故を起こさないよう緊張感を保ちながらの川旅です。


5日、10日とこの環境を過ごしていくと、自分が修行僧で悟りを開くのではないかといった錯覚を覚えました。


14日目、最終日。


地図で判断すると50キロぐらい進めばゴールに設定した町に着きます。


このまま終わってしまうのが名残惜しいという感傷に包まれていました。


そんな想いで10キロぐらい下ったところででしょうか。

その音が聞こえてきたのです。


それはまるで換気扇が回ってるような音と言えばいいでしょうか?


その人工的な音は不快で、清められた心に土足で入ってこられるような思いがしました。


最初は、大きな船でも近づいてくるのだろうかと不安な気持ちになったのですが、船は現れず、漕ぎ続けるごとに大きくなっていく音で理解することができました。


言うならば、「町の音」だったのです。

人が生活という営みを築いている音です。


車のエンジンであったり、工事の音、何かモーターの音などがないまぜになった音だったのです。


町と言っても日本でいうところの田舎の村です。


決してにぎやかな街ではありません。


そんな町の音が、40キロぐらい手前から聞こえてきたのでした。


他に人工音がないので、何か反響して聞こえることはあるのかもしれませんが、そうは言っても40キロです。


自然の中に2週間もいると、五感が研ぎ澄まされるのがわかる気がしました。


疲労感はあるのですが、頭はキレッキレな感じなんです。


大げさかもしれませんが、誰もいない自然の中で、生死を覚悟して過ごしているとこんなにも変わるんだと実感しました。


人間は脳の潜在能力のうち5%程度しか使ってないと言いますよね?


眠っている潜在能力ってあるんだなぁと実感した体験でした。



自然に出て、カラダを動かす。


考えるのではなく何かを感じることで、人間はまだ進化できるのだと思います。


合理的なものばかりでなく、不自由をすることで五感は養われるのだと思います。


それが本当の意味で持続可能なものになるのではないでしょうか?


そして、巡り巡って地球の環境にもサスティナブルに繋がっていくと信じてます。



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