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  • 執筆者の写真Kawabe Fumi

ようやく取得した建設業許可はなんのため?

カテゴリー 会社をつくる



木の家・自然な家で、あなたの暮らしを楽しみませんか?

東京・多摩エリアの「株式会社つくり家・工務店」です。




親方の下から独立し、20年あまり経ちました。


実家が工務店だったわけでもないので一からのスタートでしたが、生活できなくなるようなこともなく、なんとかここまでたどり着きました。


そんな中でも、工務店として建設業許可をとることは、当初からの一つの目標でもありました。


建設業の許可ってなんでしょう?


建築会社が建物をつくるには、建物の大きさや請負金額によって国や知事の許可が必要なんです。


ただし、小さい建物、金額を扱う分には必要ありません。


実際、私は独立し、下請けの大工から始まり、元請け会社の言われた通りにこなしていくことで信用を得、順調に仕事を受注していました。


5年が過ぎ、仕事は安定していました。


なので、「許可の取得」は、なんとなくの漠然とした目標になりつつありました。


でも、満足はしていませんでした。


元請け会社の意向というものは、時として、自分の考え方とは違うこともあります。


自分のやりたい働き方をする。


自分のつくりたいものをつくる。


もっと稼ぎたいというものもありました。



こうなると、自分でやるしかないのです。



そんなことを漠然と考えていたタイミングで、元請け会社の倒産がありました。


その会社のお客様たちのご協力もあって、自分の仕事というものを細々と始めていきました。



たしかに、全てを自分でこなしていくことは大変です。


責任も全て自分でかぶらなければならないのですから。



でも、自分が全てに関わっていくことが気持ちよかった。

楽しかった。


ただ、大きい会社にするとか、たくさんの家を建てるという気持ちはありません。


私の目の行き届く範囲で心のこもった家づくりがしたい。


お客さんと一緒にちゃんとした家を建てたい。


その中で、制限のある環境でつくりたくはない。


そう考えると、「建設業の許可」というものは最低限でも必要なものだと感じるようになったのです。


また、工務店としてやっていく上で、「許可」がないというのは、一人前として認められてない感は否めず、現実に、建設業許可を持ってないということで仕事を断られたこともあります。


大手を振って堂々と歩きたいという思いも強くありました。




  • 高いハードルとなったのは


この建設業の許可、私のように一からスタートの工務店にとってはなかなか高いハードルを乗り越えなければなりません。


  1. 5年の工務店としての経験を証明する。

  2. 専任技術者の常駐


資本金や、他にも用意しなければならない書類はありますが、特に上記2点を準備するのは大変でした。


1,5年の工務店としての経験を証明する


当初はここが10年と聞いていたので、あまりに高いハードルを前にして、取りかかることに二の足を踏んでいた時期もありました。


結果的には5年で済んだので良かったのですが、そうはいっても大変でした。


私の場合は5年分の請求書を集めて、銀行口座の通帳と照らし合わせるということをやりま

した。


要求されてる項目に足りない部分がいくつかあり、行政書士の先生に手伝ってもらってなんとか用意することができました。


ひとつひとつの請求書を見ながらそれぞれの工事を思い返し、少しずつではありますが、血となり肉となっていったんだなぁと実感しました。


仕事とは言え、飽きっぽい私がひとつのことをよく続けてこれたなぁという思いもあります。


下請けの大工として始めた私ですが、ここ5年に関して言えば、気づいたらほぼ元請け仕事だけになっていたという大きな進歩がありました。


これにより、「自分のやりたい働き方をする、自分のつくりたいものをつくる」というそもそも目指していたものの準備ができたと実感したことで、今回の申請に至ったのかなぁと思います。



2,専任技術者の常駐


建設業の許可を取るためには、建設業関係の国家資格を持った人を常駐させなければなりません。


私の場合は、2級建築士を自らとるということにしました。


一匹狼的な生き方をしてきたこともあるのですが、資格を持った人を雇うという考えがこれっぽっちもありませんでした。


あとで、人から言われて初めて気づいたぐらいです。


まぁ、自分でやってみないと気が済まない性格なので仕方ないです。



そして二級建築士ですが、他にも専任技術者としての資格はあります。


これも「自分のつくりたいものをつくる」の一環で、実際どこまでやるかは別として、できるようにしておきたいという思いがこの資格を選択させたと思います。


自分の父親が設計事務所を営んでいたこともあり、自然の成り行きだったのかもしれません。


ちなみに建築士には3つのグレードというのでしょうか、資格があります。


取り扱うことができる建物の大きさによって1級、2級とあり、あと、木造建築士とあります。


戸建て住宅では2級で十分なので2級を目指すことにしました。


1級よりは難易度は落ちるので、甘くみていたところもあります。


ところが、これが甘くはなかったのです。



学科はすぐ取れたのですが、製図が大変。


不器用な私には、あの繊細な作業の連続は拷問のようでした。


お恥ずかしい話ですが、3年かかってようやく取得できました。


製図は毎週末、学校にも通いましたが、うまくいきませんでした。


半年間は毎日仕事から帰ってきてから製図台に向かい、眠気と格闘しました。


それ×3年です。


製図は3回落ちると、また学科からやり直し。


ギリギリで受かりました。


最後の回も終了15分前にトイレを書き忘れていたのに気づき、むりくり書き込んだというやらかしの経験があります。


間取りとして不可能ではないけどムリがあるなぁと半分あきらめていたのですが、奇跡的に受かってました。


この苦労の甲斐あってか、リフォーム工事でも間取り変更など臨機応変に対応することに役立っていると思います。


そして、自分がつくりたい家というものがイメージしやすくなりました。




  • 幸せな大工人生の通過点にすぎない



許可が取れての感想は、「思いのほかあっけなかった」ということ。


これまでなかなか手を出せずにいた領域にようやくたどりつき、満を持して申請したのですが、どうってことはなかったのです。


申請の手続きをあまりに高い壁と感じて、ちょっと怖じ気づいていたかもしれません。


もっと早い時期にやっておけば良かったかなぁとも感じました。




55歳になって始めることとしてはたしかに遅すぎます。


それは、仕事に恵まれていたことが大きいです。


ある程度、安定した仕事の仕方ができるようにもなりました。


それでも新しいことを始めたのは、いろいろな準備ができたというのもありますが、


安定ほど不安を感じるものはないと思っているからです。


自分はもっと何かができると感じているからです。


自分にしかできないことをもっと突き詰めてみたいと思っているからです。


自分が死ぬ前の日に後悔のない人生だったと思えるようにしたいのです。



自由を感じる働き方、お客さんと一緒に家づくりを楽しむを追求していく。


私の幸せな大工人生の一端になるのかもしれません。




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