【構造編】見えなくなる部分にこそ、大工の本気が出る
- Kawabe Fumi
- 2 日前
- 読了時間: 4分

家が完成すると、壁や天井に隠れて見えなくなってしまう部分があります。
でも、そこにこそ、家の本質がある。
僕は大工として30年、そう信じてやってきました。
今回の自邸では、その信念を形にしました。
気密測定は初めてだったので、正直言って、どこをどうやればいいのか、完璧には分からない部分もあった。
だから、できる限りのことをやったんです。
C値0.1という数字の意味
気密測定の結果は、C値0.1でした。
目標はC値0.3だったので、それを大きく上回る結果。これには本当にホッとしました。


C値というのは、家全体の隙間をどれだけ小さくできたかという数値です。
0.1というのは、ほぼ隙間がないということ。
なぜここまでこだわったかというと、理由は明確です。
断熱・気密・換気。この3つは三本柱で、どれが欠けてもダメだからです。
換気の重要性に、改めて気づいた
正直に言うと、僕はこれまで、断熱と気密に比べて、換気をそこまで強く考えていなかった部分がありました。
でも、仲間に「そこをちゃんとやらないとダメだよ」と怒られたことがあって。
よくよく考えると、確かにそうなんです。

断熱気密を反対する人たちって、「密閉されて空気が悪くなるんじゃないか」って思ってるんですよね。
でも、それは換気をちゃんとやってないから。
密閉した空間の空気を、きちんと交換してあげなければ、断熱気密をやった意味がない。
今回、自分で第一種換気システムを作って、初めてそのことを本当に理解できました。
エアコン1台で家全体を回すためにも、湿気をコントロールするためにも、この換気システムは絶対に必要なんです。
お客さんの家でいきなりやるのと、わかってやるのとでは、全然違う。
どうすれば空気が流れるのか、どうすれば家全体をうまく回していけるのか。
それを考えること自体を、初めて本気で考えたので、いい勉強になりましたね。
構造材は、無垢材だけで
構造材は、集成材を使わないと決めていました。

そのためには、無理な構造にしないこと。大きい材料が必要になると、どうしても集成材に頼らざるを得なくなるんです。
だから、構造的に無理のない形で設計してもらいました。
その結果、2階のリビング、広いリビングの真ん中あたりに、柱が2本ポコってあるんです。
これを「邪魔だな」と思うか、「これも味だな」と思うか。
設計の手法としては、いろんな考え方があると思います。でも僕は、これでいいと思っています。
大空間が流行ってるけど、柱があることで、かえって空間にメリハリが生まれることもある。
それも、今回のチャレンジの一つです。
シロアリ対策は、丁寧に
基礎の部分では、シロアリ対策をかなり細かくやりました。
そして、人間には害がないホウ酸を使用しています。


基礎って、ベースの部分と立ち上がってる部分で、2回コンクリートを打つんですね。そうすると、その継ぎ目のところに微妙な隙間ができる可能性があるんです。
そういうところを、防蟻のコーキングで全部目張りして。配管の立ち上げ部分も、周りを全部目張りしました。
正直、シロアリが来るかどうかは運に頼るところも大きいんですよ。でも、できることは全部やる。
基礎断熱も、内側にやりました。外側の方が効率はいいんですけど、シロアリが断熱材を食っちゃうリスクがあるので。関東ではもう、内側が安心です。
二重、三重のチェック
今回、初めての気密測定だったので、正直「ここをやっとけば大丈夫」というのが分からない部分がありました。
だから、可能な限りダブルチェックで。

外も内もやって、二重で気密が取れるように考えました。
次回からは、「どこを省いても同じような数値が出せるのか」を追求していく必要があるなと思っています。
でも今回は、一番安全で確実な方法を取りました。
それが、プロとしての責任だと思ったから。
体感できる性能
数値も大事ですが、もっと大事なのは体感です。
真冬の今でも、室内の空気があったかいことは以前にも書いたとおりです。
夏は、湿度のコントロールがポイントになると思います。日本の夏が過ごしにくいのは、湿度が高いからですよね。
軒の出で日射を遮って、エアコンで湿度を下げる。そうすれば、快適に過ごせるはずです。
これは、実際に夏を過ごしてみないと分かりません。でも、今の手応えから言えば、きっと大丈夫だと思っています。
見えなくなる部分にこそ、本気を出す。
それが、僕が大切にしてきた家づくりです。
次回は、無垢材と塗り壁について、もっと詳しくお話しします。
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