なぜ大工の僕が、今さら自分の家を建てるのか
- Kawabe Fumi
- 1月14日
- 読了時間: 3分

大工になって30年。
人の家ばかり建ててきた僕が、ようやく自分の家を建てることになりました。
正直に言うと、「今さら」という気持ちもあります。もっと早くやればよかったな、と。でも、このタイミングだったからこそ、できることもあったんだと思います。
きっかけは、意外なところから
実は、自邸を建てようと思ったきっかけは、僕の理想を形にしたいという思いとは、ちょっと違うことでした。
うちでは以前からこどもを預かることをやっていて、妻の方が去年からそれを事業化することになりました。規模を大きくするために、最低でも子ども4人を預かれる部屋数が必要になったんですね。

それで賃貸を探したんですが、この規模の一戸建ては、なかなかないんです。個室が5部屋以上必要となると、もう普通の賃貸物件では見つからない。
困ったね、と話していたら、「こういうタイミングだし、もう建てちゃうといいんじゃねえの」という話になりました。
大工を始めた時の、あの思い
とは言え、そもそも大工を始めた時、「自分の家を自分で建てたい」っていうのは、もちろんあったんです。
でも、それを先延ばしにしてきた。

理由は、やはり仕事との折り合い。今回もそうなんですけど、自分の仕事を一旦置いといてやらなければならない。その踏ん切りがなかなかつきませんでした。
仕事の依頼も継続してあったので、切るに切れないみたいなところが、ずっとあったんです。
でも今回は、事業化としての建物が必要という現実があって、それに自分のモデルハウスを作りたいという思いも重なった。
今がその時なんだな、と思いました。
遅すぎたんじゃないかとは思いますけど(笑)。
自分のしたい暮らしって、何だろう?
30年近く、いろんな家に住んできました。
でもずっと、賃貸の家に「暮らしを合わせる」ということをしてきたんですよね。無意識のうちに。

自分のしたい暮らしって何なんだろう。
自分の家を建てることが決まって、改めてそう考えました。
答えは、正直まだ全部は見えていません。でも、自然に近い環境で暮らしたいというのは、はっきりしていました。そして、そこで自然体でリラックスして過ごしたい。
これまでは「この家に合わせて暮らす」だったのが、初めて「枠が外れた」感覚がありました。
お客さんに提案をする時は、どうしても、一般常識的なところから入っていくじゃないですか。
でも今回は、そういうのなしに、自分のやりたいことを全面に押し出せた。
それが一番大きな違いかもしれません。
これは、本気の実験でもある
この家は、モデルハウスでもあります。
30年以上の経験で学んだすべてを詰め込んだ、僕の基本仕様の集大成。

お客さんの家では予算の関係でできなかったこと、もっとこうしたいと思っていたこと。それを今回、思い切りやらせてもらいました。
もちろん失敗もあるでしょうし、「こうすればよかった」と思うこともきっと出てくる。
でもそれでいいんです。
その経験が、次のお客さんの家に活かせるから。
自分の家で本気で実験して、体感して、そこで得たものを皆さんにお伝えしていく。
それが、大工が自分の家を建てる意味なんじゃないかと思っています。
次回は、この家で「絶対に妥協できなかった3つのポイント」についてお話しします。





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